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今回の薪能上演に際し、地元の子供たちが「子方」として参加したことに、県内のメディアや新聞社の方々も、こぞって取材をして下さいました。 その折、必ず記者さんから受けた質問は「どうして、今回、地元の子供たちに声をかけたのですか?」というもの。 私は、3歳の頃に能面と出会い、以来ずっと能の魅力に取り付かれ、果ては本職の道に進むに至りました。いまだに「難しい」と思われがちな能に、まだ世の中のことも満足に知らない子供が、自分の一生を捧げるほどの何かを感じたのです。 今回の「子方」体験をもとに、参加した子供たちの中から私のようなお子様が現れてくれたら・・・・・・などという勝手な妄想は抱きません。ただ、私自身が生涯を通して感じた「能の魅力」を、この舞台出演を通してぜひ地元の子供たちにも感じてもらいたい。その一心だけで、今回の企画を思いついたわけです。 ただその思いは、こうして実際に子供たちと触れ合うことで、全く別次元のものへと昇華していきました。 「鞍馬天狗」の終曲部分、牛若に兵法の奥義の全てを伝授した大天狗は「これまでなりや」とお辞儀を捧げ、後は牛若を振り返ることなく立ち去ろうとする。その天狗の袖を、思わず牛若がすがり付いて引き留める場面があります。その時天狗は、立ち去ろうとした足を止め、顔だけで牛若の方を振り返る。互いの目と目が合う一瞬。その時、まさに天狗に扮した自分の袖を強くつかんでいる池谷君の姿を見て、私は思わず能面の中で涙してしまいました。彼との半年に亘る稽古の日々が、まるで走馬灯のように思い出されたからです。 そして、相川小学校の子供たちとは、2ヶ月間、毎週顔を合わせ稽古を積んだ。 本番が始まる直前、一人の子が「先生、薪能が終わったらもう会えないの?」と私に聞いてきたその顔が、ふっと脳裏に浮かびました。 鞍馬の大天狗が、自分の袖にすがる牛若に向かい、最後の言葉として「影身を離れずあなたを守る」と誓いを立てる。その意味を、今回の舞台を通して本当に強く感じました。 私は一舞台人に過ぎません。能を演ずることしか出来ない(まだまだ未熟な部分が山ほどある)一人の能楽師です。そんな私が、「能」というものを通して、子供たちに「何か」を教えることが出来、また逆に大いなる「何か」を子供たちから教えてもらうことが出来た。今回の薪能は、まさに自分にとっても本当に収穫の大きな催しとなりました。 私の出番が終わり、休憩時間中に相川小学校の子供たちを楽屋に集め、最後の挨拶をしました。 この時、私は役を務め終えたばかりで完全に頭が朦朧とし、果たして何を話したのかははっきりと覚えておりませんが(汗)、ただ一つだけ、子供たちが今回の舞台を「とても楽しかった」と言ってくれたことが、何よりの喜びでした。 きっと名子役のみんなも、今はそれぞれに勉強にスポーツに頑張って、普段の日常を送っていることでしょう(現に、牛若丸役を演じた池谷君は、翌日、所属している少年野球の試合に向かったそうです!)。今回の舞台出演の経験を、これからの日々にぜひ少しでも役立ててもらえたらと願ってやみません。本当にお疲れ様でした! そして、本当にありがとうございました! 最後に、今回の薪能公演にあたり、本当に色々な面でサポートして下さいました武田神社の土橋様、遠藤様。地元相川小学校の子供出演の提案を快く引き受けてくださり、かつ実現に向けてお力を下さいました、同神社の内藤様。前・相川小学校長の石川先生。毎年、プロデュースを担当して下さいました、ビー・アルファの澤登様。その他、当日進行に関し、本当に色々とご尽力頂きました全ての皆様に、心より感謝を申し上げます。本当に有難うございました(敬白) そして、稚児役で出演した相川小学校の生徒さんとご父兄の皆様。牛若丸役の池谷君とご家族の皆様。 本当に本当に有難うございました! そして、今年の薪能を応援してくださいました全ての皆様に、この場をお借りしまして心より御礼を申し上げます。 皆様、本当に有難うございました 「武田の杜薪能 風・林・火・山シリーズ」は、ひとまずの区切りです。 そして! いよいよ来年より、新たなシリーズがスタートします。そのシリーズとは・・・・・・・!! ・・・・・・・・・・・・いま考えております☆ ということで、来年は5月9日(土)午後5時よりの開演で、「武田の杜薪能」を開催させていただきます。 皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。 追記:最後の最後に、今年もまた何かにつけてイッパイイッパイになってしまった私を、本当に一生懸命に支えてくれた妻に、心から御礼を。 本当にありがとう。 |
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